Nineteen hundred and eighty five (西暦1985年)
収録「バンドオンザラン」
作詞作曲ポールマッカートニー
1973年発売のウイングスのアルバム「Band on the run]に収録。タイトルから分かる通り、未来、それもそう遠くはない近未来をテーマにした曲だ。
この曲のイメージする近未来は、希望あふれる明るい未来という単純な軽いイメージではなく、得体の知れない「近未来」に対する不安、恐怖、時の流れに対する人の無力さ、残酷さを表現しているように思う。
歌詞に「1985年になればいきのこっている人なんていないわ」はかつてジョンレノンが「She
said she said」で「死ぬってどういうことか知っている」「I know what it's
like to dead」と歌ったことを思い出させる。さらに低音で響くオルガンがだれにもわからない未来の一種の神々しさを表現している。そしてこの曲で得たいの知れない未来として表現している1985年は20年以上も前になってしまったが、この曲の表現している近未来へのイメージは損なわれることはない。20年後の自分を想像できますか?それは楽しいイメージですか?それとも老いや、時間の流れといった不安に駆られたものでしょうか?
最後にバンドオンザランのリプライズが入るが単体で聞く場合は蛇足かもしれない。アルバムできくならそれほど違和感はない。アルバム「バンドオンザラン」は一曲目の「バンドオンザラン」とラストのこの曲で構成されているアルバムでありたとえ他の曲がつまらない曲だったとしても十分魅力的なアルバムになっていたであろう。